2022年1月期の月9ドラマ「ミステリと言う勿れ」。
第4話の爆弾魔事件で、昭和期の詩人・三好達治さんの「乳母車」という詩が引用されました。
「(詩の)ラストがいい」とのことですが、最後の部分にはどのような意味が込められているのでしょうか?
ドラマと照らし合わせながら、解釈についてもまとめていきます。
【ミステリと言う勿れ】三好達治の詩「乳母車」が登場

漫画原作で菅田将暉さん主演の月曜ドラマ「ミステリと言う勿れ」。
第4話では、記憶喪失となってしまった爆弾魔・三船三千夫(柄本佑)が登場しました。
菅田将暉さん演じる主人公・久能整と偶然出会い、二人は他愛もない話をしていきます。

話をしていくうちに、三船は、親の愛情の飢えた悲しい生い立ちだったことがわかります。


そのシーンで登場するのが、昭和期の詩人・三好達治の代表作「乳母車」という詩。
詩の冒頭部分がこちら。

母よ
淡くかなしきもののふるなり
紫陽花いろのもののふるなり
はてなき並樹のかげを三好達治「乳母車」より抜粋(発表:1926(大正15)年『測量船』所収)
そうそうと風のふくなり
「母よ」の導入が印象的なこの詩は、
「母への切ない想い」が込められた詩と言われています。
と言うのも、作者の三好達治自身が6歳で養子に出され、
「母親の愛情を感じられずに育った」という悲しい生い立ちを持っているのです。

ドラマでは、三船が作者の生い立ちに自分を重ねて、続けて詩を読んでいきます。

時はたそがれ
三好達治「乳母車」より抜粋(発表:1926(大正15)年『測量船』所収)
母よ 私の乳母車を押せ
泣きぬれる夕陽にむかつて
りんりんと
私の乳母車を押せ
「乳母車を押せ」と命令形の言葉使いが印象的な部分です。
三船は、母親が出て行った後の暗い過去を話し、
「全部あいつのせいだ」と母親への憎しみをあらわにします。

しかし久能は、三船の「隠された感情」に気づき、それが事件解決の手がかりとなっていきます。

この「乳母車」の引用について、ネットでは「切ない」「泣いた」と言う声が聞かれました。
ミステリと言う勿れ、観てたら。三好達治「乳母車」(『測量船』)が口ずさまれ、嬉しくなる(「大阿蘇」も)
— Pippo (@pippoem) February 1, 2022
“母よ――
淡くかなしきもののふるなり
紫陽花いろのもののふるなり”
“時はたそがれ
母よ 私の乳母車を押せ”
達治の母の愛への希求が、爆弾犯と整、各々の母への思いと重なり、切なかった。 pic.twitter.com/DZKGPlvk55
母よ、私の乳母車を押せ、はめっちゃ切ない。
— おちょう💜🦋 (@cyo3_on) January 31, 2022
乳母車
— Nao_pe (@nao_pe1979) January 31, 2022
三好達治
二人の会話だけのお芝居
ずっと聞いていたい
心揺さぶられ、感動中#ミステリと言う勿れ
今日のミステリと言う勿れで三好達治の「乳母車」がでてきて(個人的に)えぐられて泣いた。教科書で「大阿蘇」を読んだときから三好達治はすきだったのだけど「乳母車」はえぐられる。痛い。 理樹
— pink IGUANA/ピンクイグアナ (@pinkIGUANA_JPN) January 31, 2022
今日の#ミステリと言う勿れ
— よっちゃん (@sakiyuki0705) January 31, 2022
柄本佑さんの儚い演技に釘付けになった
三好達治の乳母車の
過去と現在の世界観を見事に創り上げてて
涙なしでは観られなかった。
役者って凄い
ほんと、凄いわ
【ミステリと言う勿れ】三好達治の詩「乳母車」のラストとは?解釈や意味を解説

菅田将暉さん主演の月曜ドラマ「ミステリと言う勿れ」。
第4話で登場した三好達治さんの「乳母車」という詩が「切ない」「泣いた」と話題になっています。
特に、詩の「ラストの部分」に注目が集まりました。
と言うのも、久能(菅田将暉)と三船(柄本佑)が交わした会話で
三好達治の乳母車・・・
ラストがいいよな。
・・・はい。
と、まだ触れられていなかった詩の「ラストの部分」が取り上げられたのです。
ドラマの終盤だっただけに、余韻と感動に浸るシーンでした。

青空文庫に三好達治はあるけど「乳母車」はなかった。
— 香雪 (@201thyristor) February 3, 2022
「ミステリと言う勿れ」の、整と三船の会話のラストがすごくよくて泣きそうになった。ああいう、関係があるようなないような、ごく短い会話が、ひとのコミュニケーションの本質のような気がして。
ミステリと言う勿れの最新話の最後、爆弾犯が言った『三好達治の乳母車、ラストがいいよな。』って聞いたとたん早速ググるした。
— シュアン (@changhuaihsuan) January 31, 2022
すると、詩の解説を読むと、すごく切なさを感じて、思わず泣いちゃった。#ミステリという勿れ
「三好達治の乳母車、ラストがいいよな」「はい」のやりとり好き。柄本くんの何ともいえない表情がめちゃイイ。#ミステリと言う勿れ
— mayu🍀 (@mayish13) January 31, 2022
あかん また泣いちゃった。
— ゆめきち (@u2aCxMxUjaYaR7s) January 31, 2022
祐くんと菅田くんのラストの芝居
なんでか祐くんの笑顔と三好さんの詩に。
三好さんの詩を読むべきか。乳母車。#ミステリと言う勿れ #柄本佑 #菅田将暉
このように、視聴者の感動を誘った「乳母車」のラスト。
どんな詩なのか調べたところ・・・

母よ
三好達治「乳母車」より抜粋(発表:1926(大正15)年『測量船』所収)
私は知っている
この道は
遠く遠く
果てしない道
という言葉で締めくくられていました。
この部分については、色々な解釈があるようです。
その一部をご紹介します。
「遠く遠く果てしない道」が表しているのは・・・
永遠に続く母への愛

- 「もっと母に愛されたかった」という過去への想い
- 「母への愛はこれからも無くならないのだろう」という未来への想い

後にも先にも続く「母への愛」を「果てしない道」と表現しているラストと受け取ることができます。
この部分が、ドラマの結末とリンクし、じわじわと押し寄せる切なさを助長させているようにも感じました。

※詩は人それぞれに感じ方があるものですので、解釈の1つとして捉えていただけると幸いです。
まとめ
今回は、2022年1月期の月曜ドラマ「ミステリと言う勿れ」で登場した三好達治さんの「乳母車」と言う詩について取り上げました。
詩のラストが話題となっており、「永遠に続く母への愛」が表現されているとの解釈がありました。
そのような切ない余韻を残した詩の締めくくりで、ドラマの内容とリンクしていました。
三好達治さんと言う昭和期の詩人が月9ドラマで取り上げられたことで、関心を持った人が増えたのではないでしょうか。
今後も「ミステリと言う勿れ」に注目していきましょう!



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